Tiramisu郵便

「私をひっぱりあげて」くれる数々のことを、綴ってみることにしました。

大嫌いだったのになあ

友達にどんな仕事してるの?
って聞かれるのがめんどくさかった。
答えにくいから。というよりも、
自分の理想とかけ離れた地味な仕事に思えて、
答えたくなかった。

でも一緒に働いていたあの先輩は、
誇りを持っていた。この仕事はいいよ、って。

私の2つ上の先輩。
仕事の量が多くて、一段落すると、
必ず声をかけてくれる。

「○ちゃん、疲れたやろ。」
私はこの言葉を聞くと、ほっとした。

「○ちゃん、疲れたから、
 カレー食べに行こうか。」
会社の近くにあったインドカレーのお店。
先輩は豆のカレーとかほうれん草のカレー
を食べていた気がする。
「やっぱりカレー食べると元気が出るね。」
私たちは疲れるとカレーを食べに行った。
とてもおいしくて、元気が出た。

「○ちゃん、お誕生日おめでとう。」
先輩は必ず、誕生日プレゼントをくれた。
確か最後にもらったのは白いかわいい手袋。

私は何をあげたんだろう。
思い出せない。

先輩が退職するとき「私の部屋」で買った
小鉢のセットをあげたことは覚えている。
重かった。
あれは配送するものだと今は思う。
先輩は喜んでくれた。

背が高くてモデルみたいにきれいな人で、
「努力しない人は嫌い。」
「信じられるのは自分だけ。」
とか言う。

素直な人だった。
私にありのままを話してくれた。
失恋についても。
出会えない苦しみも。
努力していた。

努力は報われ、
理想的な恋愛に至った。

それはいつしか私を嫉妬させた。
私が失恋をしたと話したとき、
先輩は今の彼がどんなにいい人か、
どこに行く予定か、を話してきた。
泣きそうになって、
お弁当の白いご飯を丸のみした。

先輩が退職して、
「入籍しました」メールが来て、
「おめでとうございます!」って送った。
何だったかな「遊びに来ない?」だったかな。
返事するのをやめた。
遊びに行った人が言うには、
モデルルームみたいにきれいだったって。
「○ちゃんは元気?」って言ってたよ。

あれから何年だ。
嫉妬から来る大嫌いは、
年月が過ぎると大嫌いではなくなることが
分かった。
今なら思う。
先輩と働けて良かった、って。
とても素敵な女性だった。

ずっと書きたかった先輩のこと。
大嫌いだったのになあ。