Tiramisu郵便

「私をひっぱりあげて」くれる数々のことを、綴ってみることにしました。

父は絵を見るのが好きな人で、

ちょくちょく大きな美術館に行っては、

図録を買って本棚に並べていた。

本もたくさん買うものだから、

本棚はバンバン。さしこまれている状態。

その様子は全然美しくなかったけれど。

 

ラジオからはなんとも言えぬ

ソプラノ歌手の歌声が鳴り響き、

クラシックがよくかかっていた。

父以外、そこに共感できる家族はいなくて、

父は一人で、その世界に浸っていた。

 

幼かったら頃、父に聞いたことがある。

「絵を見て、どう思うの?」と。

 

「心が揺さぶられるんだ。」

 

というようなことを言っていた気がする。

 その言葉をたまに思い出す。

 

これは絵に限った話しではなくて、

すべてに当てはまるんだと思う。

さっき、お風呂で湯船に浸かりながら

思ったのだけど。

 

うわあ、いいなあ、と思うものは、

絵でも写真でも文章でも、

頭にぱっと、その様子が、まざまざと、

ぞくっとするくらい感じられる。

その空気や温度、においまで

分かるくらいに。

まるで「どこでもドア」みたいに、

その世界に入り込める。

 

これなんだろうな、父の言う

心揺さぶられる、ってのは。

 

父とまともに話してない。もう何年も。

ちょっとこれは悲しいのだけど。

 

私はあなたの娘で良かったと思ってる。

変なとこ、多分かなり受け継いでるし。

 

そもそも父と母がいなけりゃ、

私はいないわけで。

 

不仲な両親を恨んだこともあったけど、

なんだか感謝したい。伝えないとなあ。

 

義理の父が、遠方から来てくれた。

孫に会いに。だから、

 

父のことを、つい考えました。

 

いつまでも元気でいてほしいです。