久しぶりに娘をブランコに乗せた。
帰りの幼稚園バスが来るまでの15分。
風が冷たい。
白い雲。青!という空。
「くも、くもや、くも、」
娘は、指さしてずっと言ってる。
光がさすとあったかい。
「こんにちは!」とパパと女の子。
パパの返す笑顔が、とてもいい。
もうバスが来るから、帰るよ、
って言うんだけど、
「まめー(だめー)」
こんな時に思い出す。
あの人が言ってた「なんでも10秒」を。
「じゃあ、あと10回だよ」
ブランコを10回押す。
「まめー」
もう一度一緒に数えながら10回押す。
降りてくれた。
私の、苦手な人が、
随分前に教えてくれた10秒マジック。
ありがとね、って思った。
比べることの意味のなさを感じるように
なってから、苦手な人が、
本当に苦手なのかな、と思うようになった。
嫌いではないな、と。
今度会ったら、
私から、ちゃんと、挨拶できますように。