Tiramisu郵便

「私をひっぱりあげて」くれる数々のことを、綴ってみることにしました。

顔面麻痺

朝起きたら、顔が何かおかしい。

気のせいかな、と思って鏡を見に行く。

顔の半分が動かなくなっている...!

なんだこりゃ。

 

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この出来事は何年前だったかな。会社を辞める年だったから、十年はたっていないけどそれくらい前の話。二十代後半のこと。顔面麻痺というそうだ。ストレスが原因といわれているそうで、「入院しますか?」と医師に言われた。一週間くらい入院して、退院してからしばらく通院。会社をひと月くらい休んだ。顔中に針を刺す治療だった。全然痛くなかった。

 

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あの頃、私は追い込みまくっていた。追い込んで仕事をやってやろう、と考えて考えて、やっていたら、ある日突然こうなった。体はとても正直だ。入院できる、と聞いて、実はほっとした。その日に入院用のパジャマまで、買いに行ってしまった。変だけど、ワクワクしていた。入院中はものすごく暇で、病室の窓から見える木の枝を眺めていた。枝をたったか走るりすを一度見た。三度のご飯が楽しみで楽しみで、仕方なかった。その時、私はSNSなど一切やっていなかったから、携帯を眺めることもなく、ぼーっとしていた。今考えると、とてもいい時間だったと思う。

通信講座のペン字をやっていたので、そのテキストをやったり(入院用の荷物にちゃんと入れて)、ずっと読みたかった『ムーミン谷の十一月』を読んだりしていた。ムーミン谷の十一月が、素晴らしい本であることを、この時ひしひしと感じた。線をちょっと引きながら読んだ。ムーミンは大人のための本だと思う。看護士さんに消灯の時間ですよ、と注意されながらオレンジ色の灯りの下で読んだ。それから、売店に毎日行って、雑誌や本を眺めて、何かしら買った。

 

◎△○

 

この両手で持てる、言葉が書かれた紙の束。ここからつながっている世界、見える世界、感じられる世界が確実にある。それは、暗いトンネルの奥に明るい光があって、誰かが手招きして呼んでいるかのようだ。

 

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言葉、文章、誰かが想いをこめて作ったものが、誰かを救う。んー、文章だけではなくて、それは何にでも当てはまりそう。

 

風邪をひいて、ぼーっとしていたら思い出した。ちょうどこの寒い季節に起きた顔面麻痺の記憶。 私も誰かのために、書きたいと思う。言葉には希望があってほしいことを、最近編集者に教えてもらった。そんなメッセージの伝わる文章が書けたらいいなあ、と強く思っている。

 

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うー、寒気!ひさびさの風邪です。

たまたま、読んでくださったあなたも!

お身体大事にしてください。

 

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今、顔面麻痺になられている方も読んでいるかもしれませんね。まぶたが閉じられず乾燥して辛かったのは、入院中だけでした。私の場合は、すぐに治らず、通院中も違和感がありました。教わった顔の体操をやりたいときにやっていたと思います。いつ、ちゃんと治るのだろうと思っていた気がします。でも、いつのまにか治りました。私の場合は。今、顔面麻痺になられている方、早く良くなりますように。