おはようティラミス

「私をひっぱりあげて」くれる数々のことを、綴ってみることにしました。

赤い顔

顔を赤らめて、私に話してくれた。

多分、興奮して。怒りを私にぶつけないようにして。いらいらはやっぱりこぼれ落ちる。いらいらって、伝わる。私はそれを両手ですくう。ひとつひとつをひろって、自分のポケットに入れていく。本当はいらないものも、まじまじと見つめて「なるほどなあ」と言いながら入れてしまう。

 

時がたつにつれて、どんな気持ちで伝えてくれたんだろう、って思って。ふっと思い出す。あの赤くなった顔を。それと同時に「見返してやりたい」って小さな炎みたいなのが燃え始めて。線香花火のまだ小さな赤い丸なんだけど、「この野郎」って小さく怒ってる。ばかにするんじゃないよ、と。小さいその赤い丸が。

 

「見返してやる」と思っている時は、うまくいかない。入社したての2、3年で味わった。「見返してやる」エネルギーはあんまりいい働きをしないんだ。見返すというよりも、悔しいけど、あんた自分を振り返りなさいよ、と。本当はそうなんだ。それをあの赤い顔が教えてくれた。

 

多分、どこかで確実に恥ずかしながらこう思っている。これは私じゃない、と。例えばあの映画のタイトルみたいに。「俺はまだ本気出してないだけ」みたいな。この映画、あんまり面白いと言わない夫が随分前に「面白かった」と言っていたな。

 

悔しいから、見るよ。