おはようティラミス

「私をひっぱりあげて」くれる数々のことを、綴ってみることにしました。

思い出し笑い のち

自転車を10メートルこぐたびに、

笑いがこみあげ、

顔がニヤニヤしてしまう。

絶対に私

あやしい。

だから

その都度降り

後ろに乗っている娘の顔を

見(させ)て(もらい)

ごまかしながら盛大に笑う。

娘は「へ?」って顔しながら

変になった母を見てほほえむ。

娘、ありがとう。

 

これを商店街で三回は繰り返した。

 

***

 

店先にイスがひとつある。

いつもそこに座ることのない

このお店のおばちゃんが座っていた。

私の大好きなおばちゃん。

いつも

ガラスケース越しでしか会わないから、

思わずたずねる。

 

「どうしたんですか?」

 

「検便行ってきたのよ」とおばちゃん。

 

「春と秋に二回あるんだよ」と

 

奥にいるおじちゃん。

 

「そう、検便行ってきたのよ

 疲れちゃってね」

 

繰り返すおばちゃん。

 

「そうなんですか、二回あるんですねえ」

と話したりしながら

「ではまた」

と自転車を颯爽とこいだつもりだった。

なのに、ふと可笑しくなってきた。

 

「ちょっとね、出かけてて

 疲れちゃったのよ」も

ありだと思うんだけどな。

 

おばちゃん、正直だよなあ。

 

「検便行ってさ、疲れちゃって」

リフレイン。

 

***

 

夜道。

 

酔っ払いだろうか。

何かさけんでいる。

酔っ払いのおじいさんがさけんでいる。

気になって、窓からのぞく。

仕事帰りの女性が

そんな人がいる夜道を

突き進む。

え、大丈夫なの??

何かなだめているようにも聞こえた。

知り合いなのだろうか。

何かあったら私が通報します!

そう思いながら外を見る。

一言二言話して、どこかに消えた。

あのおじいさんに、慣れているのだろうか。

 

さけひごえは、

その私の大好きなお店の悪口だった。

 

こうゆう人もいるのか。

そうか。

でも、

絶対にそんな人許さないんだから!

 

お店の明かりが窓から見えた。

一生懸命、毎日変わらずに

働いている姿が見えた。

なにか言いがかりをつけられたり

するのだろうか。

そんな人がいるなんて。

あのお店はそれで心いためたり

するのだろうか。

歯をくいしばっているのだろうか。

あ~あ、と思いながら

やり過ごすのだろうか。

 

許さない!

力強く、つぶやく。

町のみんなが

あのお店に行くみんなが

許さないんだから!

 

***

 

「検便」であんなに可笑しかったのにな。

今は、ちっとも可笑しくない。

 

↑と、ここまで書いたのが、何日か前で。

今、SNSを見て、みんなの心を見て、

そうかそうかと思ったり、

思ったりして、

ログアウトして、

自分のブログ見て、

この下書きをまた読む。

 

やっぱりおばちゃん、おもしろいわー。

あの酔っ払いのことなんてどうでも

いいくらい、おばちゃんがおもしろい。

なんというか、心がふくらむ。

それがやさしくふくらむ。

これで、安心して寝れる。

 

おばちゃん、いつもありがとう。