校長先生が書く文章。
毎月届けられる文章が心に残る時がある。
何ヶ月か前のお手紙。
有り難いの反対は何か?
というテーマで書かれた文章で、
それは「当たり前」だ、
当たり前だと思うことだ、
というような内容が書かれていた。
コロナのことも騒がれる前に
先生が書かれたもの。
とても心に残り、ノートに貼った。
***
本当に、当たり前だと思っていたものは
実はなんてはかないものなんだ、と思う。
例えばよくあるのが
風邪をひいて健康の有り難みを
知ったりするわけだけど。
ただ普通に暮らすことが
どれだけ有り難いことかを
思い出す。
電気やガスや水があって、
ただ笑って、不満を時に抱いて、
当たり前に、ただ暮らすということが
どれだけ有り難いことかを知る。
この目に見えないものが
どんよりした不安を生んでいて。
毎日、放課後遊んでいた息子は
コタツに入って出てこないし。
散歩に行こうと言っても、
行きたくないとか言うし。
彼はカメになってしまったな。
コタツガメだ。
ま、これもちょっとくらいおもしろいか。
***
当たり前にある暮らしは
なんて愛おしいものなんでしょうか。
花森安治さんの切り抜きを壁に貼っている。
戦後まもなく「あたりまえの暮らし」を
たいせつにする世の中にしたいという思い
から、『美しい暮らしの手帖』を創刊
した、と書かれている。
花森さんが今いらっしゃったら、
どんなことを思うのだろう。
毎日思う。
当たり前ってやつは、
当たり前じゃなくて、
なんて大切なものなんだ。
涙が出るほど、
愛おしいものなんだなあ。
暮らしってやつは、
それぞれの暮らしは、
本当にかけがえのない
たいせつなものなんですね。
自分の暮らしに胸をはろう。
ほんと。比べるもんじゃない。
今号『暮らしの手帖』の
新編集長の言葉がとてもとてもいい。
何度も読んでいる。