おはようティラミス

「私をひっぱりあげて」くれる数々のことを、綴ってみることにしました。

も カ 日

 

手のひらに乗った。

しばらく乗った。

 

***

 

「おいしいものを食べさせたくて」

 

そんなことをあの人言ってる。

わたしはあの人がつかまえてきたものを

食べている。

しっかり食べる。

 

最近あの人は

虫をわたしの口元まで持ってこない。

目の前に見せて、

ねー届かないよ!ってところまで

持ち上げやがる。

わたしは必死。

立ち上がって手をバタバタする。

あの人、にやにやしてんのね。

「ごめんごめん」

とか言ってね。

 

***

 

わたしはクルマというものに乗った。

あの人の膝にわたしの家。

 

公園について、あの人は仕事を始めた。

わたしはシートの上に置かれた。

暑かった。

わたしの家は暑くて暑くて、

いつもの隠れ家に隠れるしかなかった。

 

あの人の仕事は終わって、

わたしの家を片手に

わたしの食べ物を探していた。

ゆらゆら私の家は揺れる。

 

「わー、かわいい」

あの人の仲間がわたしを見て言う。

気持ち悪い、って言う人もいる。

見たくもない、って言う人もいる。

かわいい、の意味も本当かウソかは

分からない。

 

でもね、わたしはなんと言われようと、

わたしはわたし。

わたしはニホンカナヘビである。

なんと言われようと、

知ったこっちゃない。

そんな誰かから可愛いと言われたくて

生きているわけじゃない。

ぶつぶつつぶやく。

 

公園においしいものはなかったみたい。

 

またクルマに乗る。

いつもの窓辺に帰ってきた。

今日は本当に疲れたんだから。

 

あの人は、五匹くらい虫(ユスリカ)を

つかまえてきて、素直に口元まで

持ってきた。

 

とてもおいしかった。

 

さあ、明日も

わたしはわたしを生きるんだ。

 

ひなたぼっこしよう。

ごはんを食べよう。

水を飲もう。

うんちもする。

隠れ家で休む。

 

まあ、気が向いたら、

あの人の手のひらにものってあげるか。

 

...もうそうカナヘビ日記☆