おはようティラミス

「私をひっぱりあげて」くれる数々のことを、綴ってみることにしました。

産毛のはなし

あれは確か5歳の頃。金色に輝く男の子の産毛を見た。「この子、金色なのよ~」とママが目を輝かせて私と母に言う。「おおー、ほんとだ」驚くわたしたち。確か腕の内側に生えている本当にうっすらとした産毛が、日の光を浴びて金色に輝いている。少し髪も茶色かった同じ年の男の子。ハーフではないけれど、そんな雰囲気がただよっていたせいか、かっこいいなあと5歳のわたしは思っていた。母とその子について話す時、いまだに「あの、金色のね」と話す。母とあの子のママはいまだにつながってるそうだ。あの男の子、わたしのことは覚えているのだろうか。忘れてるだろうなー。

 

あれは20代後半のころ。部署にきれいな人が入ってきた。どんなきれいさか、と言うとさわやかな秋田美人という言葉がふさわしい人。お近づきになりたい(※親しくしゃべるようになったり、という意)、と内心思ったけれどそれは叶わず。回し読みした益田ミリさんの『OLはえらい』の良さは全く分からなかったよう。そのあたりからお互いの共感できるものは少なかったのかもしれない。帰り道いっしょになると、『何しゃべるかな』と思ったりした。感じは抜群に良かった。親しく笑い合ってしゃべるような関係にたどり着けないことが、内心ちょっと残念だった(ここは学校じゃない、会社だぞ!)。

で、そのきれいな人には腕の産毛がちゃんとあった。みんなみんな「わたし、産毛(腕毛)なんて生えてませんから」みたいな感じで、産毛がない中で。きれいな人には産毛があった。おそらく、一度たりとも剃ったりしたことがないのだと思う。その潔さとでもいうか、その姿勢に心打たれた。素敵だとすらわたしは思った。清々しい気持ちになる。

 

わたしの腕の毛。彼女のことをしばらく思い出しこのままにするか、と思いつつ、この前カミソリで剃った。夏が来る。