おはようティラミス

「私をひっぱりあげて」くれる数々のことを、綴ってみることにしました。

うなぎに負ける

どこにも行かなかった。

わたしほど「出不精の人はいない!」と言う。
よく言ってくる。
そうかなあ?と思う。
「じゃあ、どこに行きたかったの?」と聞く。
「うーん。そうだねえ。...」と返ってくる。

夏休み、やりたいことを書き出してみよう。

***

毎週末、息子には日記の宿題がある。
楽しそうに書いているけれど、
昨日は「書くことないなあ」とつぶやく。

さっき、虫つかまえに行ったこと書いたら?
と言ったけれど、それは採用されなかった。
わたしにとっては、
ちょっと夢がかなった時間だったんだけどな。

雨の降る公園で、植え込みの虫を探す時間。
「ここはバッタの赤ちゃんが産まれたばかりだ」、
「クモが食事してるよ」とか話しかける。

「ああ、そうだね」

エノコログサが増えた。
「ここはハイリスクエリアだ」と息子。
「ハイリスクエリア突入
 ハイリスクエリア突入」。
ハイリスクなのに嬉しそうにハイリスクと言う。
タンカー船のテレビ番組で海賊が出るエリアに
ついて「ハイリスクエリア突入」と
言っていたのを真似している。
エノコログサも息子にとってはアレルギー源で。
夜になると咳が出る。

トノサマバッタ!レアだよ、レア。
 飼いたい!」とさけぶ息子。
これトノサマ?とも思う。
立派な大きなバッタをわたしも見た。
捕まえようとしたその時、
ぴょーーーんと跳んで消えた。
「あ~あ」と言う息子。

わたしはカマキリを見つけた。
ほらほらほら!こっち向いてるんだよ。
三角の顔をくるんと後ろ振り返って
「はい。カマキリですけど」って言ってくる。
息子が捕まえた。
「飼う!」と言う。
もう飼えないなあ、と思ったけれど、
やっぱり子どもカマキリはかわいい。

成虫になったら逃がす方針の方もいて、
そうしてみようかなあ、と思う。
「飼うか」

植え込みは見れば見るほど生き物に出会えて。
蚊に刺されながら、かいーなと思いながら眺める。

「ほら、帰るよ!」
「お母さん!帰るよ!」

息子に急かされる。
おかしい、これわたしがいつも
あなたに言ってた言葉なのに。
逆転する時が来るなんて。

玄関の一角が虫かごだらけになった。
夫と娘が、またかい、って顔してる。

生き物がくれた時間。
今のわたしに、必要な時間。
目の前に集中できて、
余計なことを忘れられる時間。

***

息子は日記に何を書いたか。

初めてうなぎを食べたことを書いていた。
松屋でお持ち帰りで1100円で、
と事細かに書いていた。
やらわかい、と書いていて
やわらかいだよ、と指摘した。
いつも間違えている。